- 委任状を書き間違えてしまった…
- 委任状や譲渡証明書の捨印でどこまで訂正できるんだろうか?
- 車庫証明の記入ミスを訂正したいんだけど…
- 記入ミスの訂正の仕方が知りたい
行政機関に申請や提出する書類はボールペン書きの書類がほとんどです。
申請書類を記入するときは、重要性の高い低いにかかわらず緊張しますね。
はじめまして。
私は香川県で自動車関連を専門業務としている、Green行政書士事務所 代表行政書士の和田と申します。
自動車関連の仕事を専門としているため平日は毎日、や軽自動陸運局や車検査協会、警察署に出向いて書類を作成し提出しています。
そんな私ですが、今でもペン書き(委任状、申請依頼書、譲渡証明書、車庫証明)の書類を作成する時は緊張しますね。
関連記事>>>譲渡証明書、委任状の書き方と気をつけるべきポイント
いつまでたっても慣れないもんですね。^^;
それでも少しだけ緊張がやわらぐときがあります。
それは、「委任状」や「譲渡証明書」に捨印があるときなんです。
捨印があることで、ある程度の記入ミスは訂正できるんですね。
本記事では自動車の名義変更などの『委任状・譲渡証明書』の記入ミスを訂正するための
- 捨印と訂正印の違い
- 捨印の効力の及ぶ範囲
- 記入ミスの訂正の仕方
について書いてみました。
それでは
ミスった!自動車の委任状・譲渡証の書き間違えを捨印で訂正する方法
をお送りします。
最初に知っておきたい自動車の委任状・譲渡証明書の捨印の効力について
まずはじめに捨印の効力について解説しておきます。
自動車関連で使用される譲渡証明書、委任状等は軽微な箇所である『住所・氏名及び名称』であれば捨印での訂正が可能です。
しかし、捨印に法的な効力はないため、捨印があるからといって必ず訂正が可能が可能というわけではありません。
捨印での訂正が可能かどうかは各運輸支局、軽自動車検査協会等の担当者の判断になります。
捨印に関しては”捨印があるから当たり前に訂正ができる”ということではありませんので、そのことだけはご理解いただけますと幸いです。
自動車の委任状・譲渡証明書の捨印と訂正印の違い
それでは委任状・譲渡証明書の捨印と訂正印の違いを解説していきます。
捨印とは
捨印とは『書類を受取った側の記載ミスを訂正することをあらかじめ認めている』という意味合いで扱われています。
しかし、すべての項目に適用されるわけではなく、捨印の効力は『軽微な箇所』とされています。
その書類でとくに重要な箇所は捨印では訂正できません。
委任状や譲渡証明書でいうと『型式』、『車台番号』です。
訂正印とは
訂正印とは読んで字のごとく『訂正する印』です。
訂正印は『記載ミスをした箇所』に押印します。
訂正が可能な箇所は自動車関係の書類でいうと『委任状』、『申請依頼書』、『譲渡証明書』、『車庫証明』の『どんな箇所でも訂正』することが出来ます。
しかし、訂正印は書類に押印された印影と同じ印鑑で押印しなければいけません。
相手方から預かっている委任状や譲渡証明書は実印で押印されているはずなので、訂正印を押印してもらう場合は実印を押してもらわなければいけません。
これ、結構ハードルが高いですよ。
ココがポイント
捨印が押してあれば軽微な箇所は訂正できますが、重要な箇所は訂正印を押印してもらわなければいけません。相手方が遠方の場合は時間も費用もかかってしまうので記入ミスには十分気をつけましょう。
捨印と訂正印の違いまとめ
- 捨印は押印者が記入ミスをあらかじめ認めているもの
- 捨印の効力はその書類において軽微な箇所しか訂正できない
- 訂正印は委任状や譲渡証明書に押印されている同じ印影のもので訂正箇所に直接押印して訂正すること
- 訂正印の効力はすべての箇所において有効
自動車の委任状・譲渡証明書を捨印で訂正できる範囲について
それでは捨印で『委任状、譲渡証明書』を訂正できる範囲と訂正できない範囲を見ていきましょう。
委任状
捨印で委任状や申請依頼書を訂正できる箇所は『住所、氏名』欄のみです。
『登録番号及び車台番号』の欄は捨印では訂正できません。
『登録番号および車台番号』を記入ミスしてしまった場合、訂正印でしか訂正できないのです。
ポイント
- 捨印で訂正できる範囲:『住所・氏名』
- 捨印で訂正できない範囲:『登録番号および車台番号』
譲渡証明書
捨印で譲渡証明書を訂正できる箇所は『住所、氏名』欄です。
委任状と同じです。
『車名・型式・車台番号・原動機の型式』の欄は捨印では訂正できません。
『車名・型式・車台番号・原動機の型式』を記入ミスしてしまった場合、訂正印でしか訂正できません。
ポイント
- 捨印で訂正できる範囲:『新旧所有者の住所・氏名』
- 捨印で訂正できない範囲:『車名・型式・車台番号・原動機の型式』
車庫証明
車庫証明は『捨印』というモノ自体がなく、捨印があったとしても訂正できるところはありません。
車庫証明で記入ミスを訂正する場合は全て訂正印が必要となります。
車庫証明で必要な書類
- 車庫証明の申請書(複写で4枚綴りのもの)
- 保管場所使用承諾証明書OR保管場所使用権原疎明書(自認書)
上記の書類に関しては記入ミスは押印されている印鑑でしか訂正はできません。
捨印での訂正方法
自動車の委任状・譲渡証明書での捨印での訂正方法は以下の手順で行ってください
- 訂正箇所を二重線で消す
- 正しく記入する
- 捨印の下部に”〇字抹消〇字挿入”と記載しておく
捨印で訂正できる範囲まとめ
- 委任状を捨印で訂正できる箇所:『住所・氏名又は名称』、『受任者欄』
- 委任状を捨印で訂正できない箇所:『登録番号および車台番号』
- 譲渡証明書を捨印で訂正できる箇所:『住所・氏名又は名称』
- 譲渡証明書を捨印で訂正できない箇所:『車名』、『型式』、『車台番号』、『原動機の型式』
- 車庫証明は捨印という概念がありません
自動車の委任状・譲渡証明書・車庫証明を訂正印で訂正できる範囲
訂正印で委任状、申請依頼書、譲渡証明書、車庫証明で訂正できる箇所は全ての箇所について、記入ミスを訂正できます。
ただし、訂正印は押印してある印鑑とおなじ印影でなければいけません。
委任状、譲渡証明書、車庫証明に押印してある印鑑で訂正箇所に押印して訂正します。
関連記事>>>譲渡証明書、委任状の書き方と気をつけるべきポイント
訂正印での訂正方法
自動車の委任状・譲渡証明書での訂正印での訂正方法は以下の手順で行ってください
- 訂正箇所を二重線で消す
- 訂正箇所に訂正印を押す
- 正しく記入する
訂正印で訂正できる箇所まとめ
- 訂正印はすべての箇所での記入ミスに対して訂正できます
- 訂正印は委任状・譲渡証明書・車庫証明に押印してある印影と同じもので訂正します
自動車の委任状・譲渡証明書・車庫証明でやってはいけない訂正方法
うちの事務所のご依頼でもたまに見かけます…(笑)
さすがにこれはきついので、絶対にやってはだめです。
修正テープ(液)での修正
『…間違えちゃった…修正テープで修正しちゃえばいっか…』
これは、やってはいけないパターンですね。
絶対に記入ミスを修正テープで修正しないでください!
行政機関に提出する書類は、修正テープ等の修正では受理してもらえません。
『消せるボールペン等』での修正
『消せるんだから、いいよね…』
これも、やってはいけないですね。
いくら、”消せる”からといって、完全に消せるわけではないですよね。
若干、跡が残ってたりしますよね。
行政機関で働いている人は必ず見抜きますよ。
とくに、消せるボールペンはインクの質が他のペンとは明らかに違いますからね。
『あっ、消したな』っていうのがカンタンに見抜けます。
そもそも、修正テープ(液)や消せるボールペン等で修正することが認められると、どんな『重要な文言』も修正できちゃいますからね。
自動車の委任状・譲渡証明書に捨印がない場合の対処法
委任状、申請依頼書、譲渡証明書の書類に捨印もない場合の対処法ですが、どうしようもありません。
そんな時は、運輸支局や軽自動車検査協会等に一度相談してみましょう。
きちんと間違えた経緯を説明し、誠心誠意お願いすれば了承してくれるかもしれません。
相手も『人』なんでね、ほんとにきちんと『自己の過失と認識し誠意を持ってお願い』すれば、多少のことなら認めてくれるかもしれません。
それでも『捨印か訂正印が必要です』と言われたときは、押印していただいた人に謝罪し訂正印を押してもらいましょう。
これはね、もう、そうしてもらう他、方法はないです。
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自動車の委任状、譲渡証明書、車庫証明の捨印・訂正印の違いと訂正できる範囲まとめ
それでは最後に『委任状、申請依頼書、譲渡証明書、車庫証明』の捨印・訂正印の違いと訂正できる範囲をまとめてみました。
ポイント
- 捨印は『住所・氏名』などの軽微な箇所の訂正が可能。その書類の重要な箇所は訂正できない。
- 訂正印は『全ての訂正箇所』で訂正可能。ただし、押印欄に押印してある印鑑と同じ印影のものでなければいけない。
- 車庫証明は捨印という概念はなく、記入ミスした場合は訂正印でのみ訂正が可能。
- 捨印に法的効力はなく、捨印があるからと行って必ず訂正できるわけではない
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