自動車検査証に記載されている”所有者”である人、法人が行方不明で連絡がつかない…そんなことが結構あるそうです。まずは、所有者が行方不明であるとどう困るのかということから説明します。
はっきり言ってしまえば”何もできない”ということになります。
何もできないとは、名義変更、住所変更、番号変更、抹消登録etc、etc
とにかく、ありとあらゆる登録申請ができません。
つまり、車を買い替えようと思って下取りに出そうとしたり、知人に譲渡したりすることは一切できない状態です。
また、自動車税を止めようと思い、一時、使用を中止しようとしても法律上できません。
普通に普段通りに車を使用する分には何の問題も生じませんが、車にも寿命があり、いつまでも乗り続けらるものでもありません。
車検証上の所有者が行方不明で困っているという人は以下のような人が大半だと思います。
- 自動車を買い替えたい
- 自動車税の支払いを止めたい
上記に該当する方は現在使用している車を”使用しなくなった”、”使用しなくなる”という共通点があると思われます。
ですので、現在使用している車を”使用しなくなった”、”使用しなくなる”ということを前提に対処法を紹介したいと思います。
車検の有効期限が残っているのでそれまでは車を使用する場合
現在使用している車が車検期間が残っている場合、次回車検時まで乗っておこうかという人もいるでしょう。
そんな方は車検切れまで使用して、車検が切れた後、車についているナンバープレートを管轄の陸運支局に返納しましょう。ナンバープレートを返納したときに返納証明書を発行してくれるので、とりあえず保管しておきましょう。
ナンバープレートを返納するときには特段必要な書類がないので本当にナンバープレートを返納するだけで大丈夫です。
今すぐにでも、なんとかしたい場合
現在、乗っている車の車検期間が切れるのを待つこと無く、なんとか処理したい…そんな方もおられるでしょう。いや、むしろこちらの方が大半なのかもしれません。
そんな急ぎの方は解体屋さんに依頼して、車を解体してもらいます。解体屋さんが車を解体した場合、自動車リサイクルシステムで解体情報が確認できるようになります。すると陸運支局や各都道府県税課でインターネット上で車の解体状況が確認できるようになります。
解体状況が”解体完了”となるまでは何もできませんのでそのまま待機状態になります。
その後はどうなる?
車検が切れたのでナンバーを返納した。解体屋さんに解体してもらった。
その次は、各都道県税(自動車税課)で”課税保留”の申請書をもらい、記入し、提出します。提出し、申請が通れば翌年からの自動車税を納付する必要はありません。(納税通知が来ないので)
ナンバープレートを返納した場合は、そのまま都道府県税の自動車税課に赴いて、課税保留の申請をすると手っ取り早いと思います。(概ね、陸運支局に隣接して都道府県の自動車税課があります)
しかし、解体した場合、インターネット上に反映されるのにタイムラグが生じますので、解体後、数日おいてから申請するのがいいでしょう。
また、その場合、事前に自動車税課に解体が確認できているかの問い合わせをしておくのもいいかと思います。
解体の確認がとれたら、課税保留の申請をします。
最後に確認
今の自動車検査証(車検証)の記載が「所有者」が行方不明者の名前(名称)と住所になっており、「使用者」にあなたの名前(名称)と住所になっている状態ですよね。
一般的に言うと、その場合”所有権留保”という登録形態になっていて、いわゆる”ローン”である状態のことを指します。
「この車はローンでは購入してない」
そんな人もいるかもしれませんが、事実はどうあれ、都道府県の自動車税課では”ローンで購入している”と登録されている可能性があります。
ですので、解体、ナンバープレートの返納等をする前にローンが残っていないか、本当に車検証上の所有者と連絡がつかないかをきちんと確認してからおこなって下さい。
現状、”使用者”であるあなたには、車を解体したり売ったりする権限はありません。あくまで、緊急措置であることに留意して下さい。
お困りの時はご相談下さい。原則、無料です。