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自動車における遺産分割協議書が諸事情により作成できない場合の対処法

さて、今回のテーマは登録自動車の遺産分割協議書です。
登録自動車(普通車)は資産なので、自動車検査証上の所有者が亡くなった場合は遺産の対象になります。自動車は分割ができないため、共同相続か遺産分割協議をして相続人を決定することと思います。一般的には遺産分割協議になると思います。
しかし、この遺産分割協議は相続人全員が話し合って決めなければいけません。遺産分割協議書に相続人全員の名前、住所を記入し、押印をしなければいけません。
相続人が2~5人位で各個人個人が連絡を取り合える状態であれば特に問題もないでしょう。しかし、相続人が10人とか15人とかになってしまうと、中には連絡がつかない人もいるかもしれません。(2~5人でもそんなことはあります)

そんな時は遺産分割申立書を利用するといいでしょう。
遺産分割申立書で登録を行う時の要件はたった一つです。

車両の査定価格が100万円以下であること。

もちろん、自動車検査証の所有者が亡くなっていることが大前提ですよ。

さて、この査定価格が100万円以下であるって言うのは、一体、どうすればいいのでしょうか?

答えは2つで、

  • 査定士さんのいる車屋さんで査定をしてもらい査定表を作成してもらう。
  • 管轄の陸運支局に"イエローブック(車の査定価格の一覧が載っている本)"が置いてあるかどうか問合せ、イエローブックの中にその車が記載されているかどうか確認する。

う〜ん、実際にやってみれば大したことない内容なんですが、文字にするとハードルが高そうですね。

しかも、イエローブックは国産車がメインなので外車の場合は査定士さんに頼んだ方が無難でしょう。

まとめ

とにかく、自動車検査証上の所有者が亡くなられた場合、相続を確定しなければ登録申請をすることができません。つまり、何にもできないということになります。何もできないとは、各種申請登録(移転登録(名義変更)、一時抹消登録、永久抹消登録等)ができないということです。他の方に譲渡することもできませんし、家族の方が引き続き乗ることもできません。(事故した時、大変なことに…)

遺産分割申立書であれば、査定価格が100万円以下であるという要件を満たせば相続される方のみで移転登録ができます。本来であれば、遺産分割協議をしていただくのが一番ですが、諸事情により協議できないのもまた事実…

制度を悪用するのではなく、困っている人のための遺産分割申立という制度なので該当される方には有効利用していただきたいです。

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