はてな
- 廃車にしたら車の税金が戻ってくるって聞いたんだが…
- 自動車重量税の還付についてわかりやすく知りたい
- 種別割(旧自動車税)は還付されるの?
はじめまして。香川県で自動車関連業務を専門としているGreen行政書士事務所の和田と申します。
車を廃車にしたけど、自動車に関する税金の還付申請の仕方がわからない
『廃車にしたら税金が戻ってくる…』なんとなくは知ってるんだけど、詳しく知っているわけじゃない。

”こういったこと”はなんでもそうなんですが、行政に関しては完全に『申請主義』です。
申請しなければ何も起こりません。
廃車にしただけでは税金の還付は受けられないのです。
本記事では
ポイント
- 廃車手続きの必要書類
- 税金の還付申請の仕方
- 還付金の計算方法
- 還付される人・条件
について書いてみました。
それでは
廃車にすれば税金が還付されると思っていませんか⁈
をお送りいたします。
廃車手続き|その前に
普通車の廃車手続きは陸運局で手続きします。
軽自動車の廃車手続きは『軽自動車検査協会で手続きします
廃車手続きをしなければ自動車重量税や種別割(旧自動車税)の還付がされないからです。
しかし、いきなり陸運局に行っても廃車手続きができるわけではありません。
ちなみに、自動車重量税や種別割の還付のある廃車手続きの正式名称を永久抹消登録といいます。
参考
種別割の還付しかないのが『一時抹消登録』>>>3分で丸わかり!抹消登録の必要書類と費用まとめ|廃車手続きをしよう!
永久抹消登録は自動車の解体情報が『自動車リサイクルシステム』に反映されていないと申請を受け付けてもらえません。
手続きのザックリとした流れは下記のようになります。
永久抹消登録までの流れ
- 自動車を引取業者に引き渡す
- 引取業者が解体業者等に引き渡す
- 解体業者等が自動車を解体
- 解体業者等が自動車リサイクルシステムに登録
- 国土交通省のデータに反映
- 引取業者に『移動報告番号』の確認をする
- 陸運局で永久抹消登録の申請手続き
詳しい流れに関しては『自動車リサイクルシステム』のサイトでご確認ください。
参考
廃車手続き|永久抹消登録で還付される税金の種類
永久抹消登録で還付される税金は2つです。
ポイント
- 自動車重量税
- 種別割(旧自動車税)
自動車重量税の還付申請は国土交通省(陸運局)、種別割(旧自動車税)の還付申請は納めた先の都道府県にそれぞれ申請します。
ココに注意
参考
使用の本拠の位置を詳しく知りたい>>>5分でわかる!!自動車・車庫証明『使用の本拠の位置』の基礎知識
廃車手続き|永久抹消登録に必要な書類
永久抹消登録に必要となる書類は下記のとおりです。
必要書類等
- 自動車検査証 or 登録事項等通知書
- 実印
- 上記書類のほかにOCR3-3号シート、手数料納付書が必要ですが、陸運局で無料配布していますので割愛しました
- 登録事項等通知書に関しては下記記事に詳しく書いております
参考
廃車手続き|自動車重量税が還付されるための条件
還付申請可能な条件
- 適正に解体されていること
- 永久抹消登録手続きと同時に還付申請をすること
- 車検期間が1カ月以上残っていること
『適正に解体』とは自動車リサイクル法に基づいてリサイクルされた自動車のことです。
関連
関連サイト>>>経済産業省HP『自動車リサイクル法とは』
廃車手続き|還付を受け取る人は誰?
『還付を受け取る人は誰?』
実際に一番気になるところですよね。
還付を受け取る人は
『自動車を引取業者に引き渡した者(最終所有者)』と規定されています。
廃車にする自動車の最終所有者に還付を受け取る権利があるわけですね。
還付金を受取るのは原則としてその自動車の最終所有者ということは非常に重要なので覚えておいてください。
かといって最終所有者が絶対というわけではありません。最終所有者が認めれば他人に権利を譲ることも可能です。
廃車手続き|自動車重量税還付申請の仕方
廃車手続きの必要書類等は上記の通りですが、重要なのは還付申請の仕方です。
自動車重量税の還付申請は永久抹消登録申請時に同時に行います。
というより、申請書(OCR3-3号)に記入するだけなんですがね。
記入内容は下記の通り。
記入内容
- 所有者の住所・氏名又は名称
- 郵便番号
- 電話番号
- 振込先口座
- 移動報告番号
- 解体報告記録がなされた日
注意ポイント
原則として、自動車重量税が還付されるのは『自動車の最終所有者』です。代理受領も可能ですが、代理受領用の委任状が必要になります。
廃車手続き|自動車重量税の還付金計算方法
自動車重量税の還付金は計算方法が2パターンあります。
- 一時抹消登録をしているパターン
- 一時抹消登録をしていないパターン
それぞれのパターンごとに例を挙げて計算していきます。
計算式
還付金=自動車重量税の納付額×車検の有効期限までの残数÷車検の有効期間
自動車重量税額を調べたい>>>ヘルムジャパン
パターン①:一時抹消登録をしているパターン
例
- 平成30年10月1日 自動車検査証の有効期間が開始(令和2年9月30日 有効期間が終了)
- 令和2年3月3日 一時抹消登録 完了
- 令和2年4月9日 報告受領日
- 令和2年5月20日 永久抹消登録手続き完了
- 重量税:2年間で32,800円
報告受領日とは通常『引取業者が自動車リサイクル促進センターに報告をした翌日』を指します
一時抹消登録をしている場合、”一時抹消登録を完了した日か報告受領日のいずれか遅いほう”が還付計算の起算点となります。
今回の例だと報告受領日のほうが遅いので還付計算の起算点は報告受領日の翌日となります。
計算方法
還付金額>>>32,800円×5か月*1÷24ヶ月=6,800円*2
*1 令和2年4月10日~令和2年9月30日の5カ月と21日
*2 100円未満は切捨て
パターン②:一時抹消登録をしていないパターン
例
- 平成30年10月1日 自動車検査証の有効期間が開始(令和2年9月30日 有効期間が終了)
- 令和2年3月3日 一時抹消登録 完了
- 令和2年4月9日 報告受領日
- 令和2年5月20日 永久抹消登録手続き完了
- 重量税:2年間で32,800円
報告受領日とは通常『引取業者が自動車リサイクル促進センターに報告をした翌日』を指します
一時抹消登録をしていない場合、”永久抹消登録が完了した日の翌日”が還付計算の起算点となります。
計算方法
還付金額>>>32,800円×4か月*1÷24ヶ月=5,400円*2
*1 令和2年5月21日~令和2年9月30日の4カ月と10日
*2 100円未満は切捨て
廃車手続き|種別割(旧自動車税)の還付金計算方法
種別割(旧自動車税)の計算も2パターンです。
- 一時抹消登録をしているパターン
- 一時抹消登録をしていないパターン
それぞれのパターンごとに例を挙げて計算していきます。
計算方法
還付金=種別割(旧自動車税)額×残月数÷12ヶ月
参考
種別割(旧自動車税)額を調べたい>>>種別割(旧自動車税)の金額・早見表
パターン①:一時抹消登録をしているパターン
例
- 平成30年10月1日 自動車検査証の有効期間が開始(令和2年9月30日 有効期間が終了)
- 令和2年3月3日 一時抹消登録 完了
- 令和2年4月9日 報告受領日
- 令和2年5月20日 永久抹消登録手続き完了
- 種別割:1年間で39,500円
報告受領日とは通常『引取業者が自動車リサイクル促進センターに報告をした翌日』を指します
一時抹消登録をしている場合、”一時抹消登録を完了した日”が還付計算の起算点となります。
計算方法
還付金額>>>39,500円×0か月*1÷12ヶ月=0円
*1 3月に一時抹消登録をすると還付金はありません
パターン②:一時抹消登録をしていないパターン
例
- 平成30年10月1日 自動車検査証の有効期間が開始(令和2年9月30日 有効期間が終了)
- 令和2年3月3日 一時抹消登録 完了
- 令和2年4月9日 報告受領日
- 令和2年5月20日 永久抹消登録手続き完了
- 種別割:1年間で39,500円
報告受領日とは通常『引取業者が自動車リサイクル促進センターに報告をした翌日』を指します
一時抹消登録をしていない場合、”永久抹消登録が完了した日”が還付計算の起算点となります。
計算方法
還付金額>>>39,500円×10か月*1÷12ヶ月=32,900円*2
*1 令和2年6月~令和3年3月の10カ月
*2 100円未満は切捨て
廃車手続き|還付金まとめ
重量税や種別割(旧自動車税)の還付金で重要なのは”還付される金額”ではなく
『還付金は誰がもらえるのか』
です。
『下取り車としてディーラーさんに車を譲渡した』場合は『所有者がディーラーさん』になっているはずなので、その後に廃車手続きをしても還付金はあなたには戻ってきません。
還付金の申請をする場合は
『自動車の最終所有者がだれか』
『申請しなければ還付されることはない』
というところに気を付けてください。
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